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2つの国で生きる人

私の好きな人は2つの国で生きています。

1つはアイドル国、もうひとつは小説国です。

彼は元々アイドル国にのみ身を置く人でした。だけどある時、小説国にも足を踏み入れたくなったようです。それは恐らく『旅行』ではなく『居住』。しかしアイドル国を去るということではなく、アイドル国にいる自分、仲間を守るために小説国に『出稼ぎ』に行くというものだったと思います。

 

彼が書くことを決意した時、彼が所属していたアイドルグループはバラバラでした。なんとか守りたいと思った彼は「自分に出来ることは書くこと」だと感じ、約1ヶ月で処女作を書き上げました。結局これを出版する時にはメンバーが2人脱退した後で「間に合わなかった」と彼はいっていましたが、それでも彼は小説国にも身を置くこととなりました。その後も書き続けたのです。

 

2つの国を行ったり来たりして生活するようになった彼。不思議なことに、それまで「俺なんて」という考えが主観だったアイドル国での彼が、「歌うことが楽しい」「踊ることが楽しい」と発言するようになり、誰が見ても生き生きとするようになりました。それまでよりも全力でアイドル界を楽しむようになったのではかいかと感じています。2つの国でのメリハリが良かったのでしょう。

 

一方『居住』するつもり行ったものの『出稼ぎ』だった小説国。当初の「アイドル界での自分・仲間を守る」という目標を果たせなかったものの身を置き続けたのは、小説国がとっても魅力的だったのでしょう。自分を表現できる国は彼に合っていたのだと思います。『出稼ぎ』がいつしか『出稼ぎ』でなくなり、あくまで本人の意識の問題ではあると思いますが『本業』となっていきました。

『アイドル国』も『小説国』もどちらもメインでどちらも大切。人一倍忙しくなり時間がなくなることと引き換えに、彼は2つの国で同等に生きる権利を与えられました。

 

ここからは、あくまで私の予想ですが。

長くアイドル国にのみ身を置いていた彼は、心のどこかで小説界に身を置く自分に自信が持てなかったのかもしれません。あるいは2つの国で同時に戦うことに対して、小説国でのみ戦う人にコンプレックスを抱いているのかもしれません。

彼は小説国で人一倍努力しました。たくさん本を読んで、色んなものを吸収していきました。

もちろんアイドル国での自分を疎かにするわけにもいきません。そちらも全力です。ものすごく真面目な人なんです。

 

アイドル国での彼には、たくさんの味方がいます。多くが女性であると思いますが、多分彼が思っている以上にたくさんいます。それらの人たちは彼とは形は違うけれどアイドル国に身を置き、また他の国に身を置いている場合もあります。その他の国が小説国である場合もあるしそうでない場合もあります。とにかく多種多様です。

 

小説国にいる時の彼に、アイドル界にいる彼の味方が声援を送りにはるばるやって来るのは違うという考えを、彼はどうやら持っているようです。小説国の彼はアイドル国の人々でなく、小説国の人々に認められたいのです。それは彼のコンプレックス(あくまで私の予想ですが)のせいかもしれません。

 

彼は今回そのことを、小説国からアイドル国へ向けて発信しました。

 

アイドル国にいる我々は困惑します。彼が今小説国いることは分かっている、それでも応援したい、違う国にいる我々が違う国にいる人を応援することは間違っているのか、と。

中には彼と同じようにアイドル国にも小説国にも身を置く人もいます。余計に困惑です。でもたくさんの味方がいる中で誰がどこの国にいるのか見極めるのはとても難しいことだと思います。仕方がない、と思いました。

 

彼には誰がどこにいるのか分からないから。

ならばもういっそ全て無効票でいいと。

強引だけど。少し冷たいけれど。今の彼は小説国の彼だから、アイドル国にばかり気を遣っていてはいけないと私は思うし、それではまだ『出稼ぎ』のままです。

彼は本当に小説国でも生活するようになっていたのです。

 

国境がどこだか分からないという人は少なくないと思います。どこからがアイドル国で、どこからが小説国のか。正直私もよく分かりません。味方の善意を彼が踏みにじったという表現をするのなら、それは間違っていないと思います。実際彼に投票された全てが「彼への愛」だったのだから。

アイドル国にいる私たちはアイドル国の彼を全力で応援する、でもアイドル国にいる私たちが小説国の彼をどう応援したらいいのか分からない。それもまた然り。『応援』することがこんなにむずかしいことだとは思いませんでした。

だけど、多分彼はそこまで見据えて発信したような気がします。頭のいい人だから。多分応援しなくていいのでしょう。遠い遠いアイドル国から双眼鏡で小説国の彼を見つめるぐらいでいいのでしょう。

でもそれでも応援したいという人がいるのならば、いてくれるのならば、彼は否定しないと思います。

 

小説国での彼は孤独になるかもしれません。なんならアイドル国でも影響して少し味方が減るかもしれません。アイドル界に帰って来てみたら味方が少なくなっててびっくり、なんてね(笑)
小説国での彼は多分孤独な方がいいのでしょう。アイドル国が『光』ならば小説国は『陰』というような表現をしていたこともありますが、陰は陰らしく暗い方がいいのかもしれません。

 

しかし今回の一件で、小説国とは随分遠いところにあるのだなぁと感じました。行ったり来たりしている彼はすごい。生半可な気持ちで応援旅行に行ける距離ではありませんね。応援旅行に行く時は、遠い国だからしっかり準備して現地のルールやマナー等も事前にしっかり学ばないと。これはどこの国に行く時もそうだけれど。

そしてアイドル国にて、彼が小説国から送ってくる現地の特産品(=小説)を手にするのはけっして悪いことではないと私は思います。異国のものって気になるし。その感想を彼に届けるのも絶対に悪いことではないはず。「貴方がその国で作ったもの、素敵ね」って。ただそれを遥々現地まで赴いてわざわざ路上販売するような行為をしなければ。その国のいいものはその国の人たちが一番知っているはずだから。

 

2つの国で生きることはむずかしい。実際に2つの国で生きる彼も、それを見ている私たちも。

だけど、それでも私は見ていたいのです。

アイドル国でてっぺんに立つ彼と彼の仲間たちを。

いつか小説国で認められて「こんな名誉ある賞を頂けて…」とスピーチする彼を。

 

私はアイドルグループNEWSのメンバーでジャニーズ初の小説家、加藤シゲアキという人が大好きです。